Mercedes-Benzに乗ることは、僕の長年の夢だった。
なぜかは分からない。
それは見栄かもしれないし、自慢したい気持ちからかもしれない。
いや、世界一流のブランドの凄さを自分で実際に確認したかったからだろう。
夢のない自分だったけど、なぜかMercedesに乗りたいという気持ちはずっと持ち続けていた。
そういえば、今までいろんなことに自分で制限をかけてきた。
諦めというよりも、失敗するのが怖かったから。
まだ起きていもいない未来のことを恐れて、冒険することを避けていた。
気がつけば54歳になり、長女は社会人4年目が始まり、息子も大学4回生になった。
ある瞬間、もう十分に責任を果たしてきた気がした。
それでスイッチが入った。
冒険しよう!
自分のために、自分が頑張った証に、自分の人生のために、買おう!
憧れのMercedes-Benz C-classを。
ローンが払えなくなったら、売ればいい。
安くしか売れなくて損が出てもいいじゃない、夢のような時間を憧れのMercedesと過ごせたのだから。
冒険するには、素敵な言い訳を考えついたもんだ。
今、とても満足している。
54歳の冒険は始まったばかり。
大好きな言葉、それは
「何を始めるにも、遅すぎることはない!」
僕は、僕が理想とする姿を「僕は真剣に生きている男」と表現している。
真剣に生きるとは、今この瞬間を精一杯生きる、今を大切にする、ということ。
淡々と過ぎ去る日常に刺激を与えて、日常に埋もれている自分の可能性を引き出したい。
そんな一歩になる、憧れのMercedesオーナーになった春のある日。
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