一つの事実に対して、私たちはそれぞれに「意味づけ」をして、主観的な世界に生きていることを以前シェアしました。
アドラーはこの「意味づけ」のことを「ライフスタイル」と呼びました。
物事にある意味を与える時に、人はある傾向を持っています。あれこれ心配事ばかり考えてしまう傾向のある人や、そんなもん関係あるかい!と豪快に言い放つ傾向の人。
つまりその傾向は、「思考のクセ」や「性格」とも言えます。
ですから「思考のクセや性格」=「ライフスタイル」と言ってもいいでしょう。
自分のことを説明するときに、
私って〇〇な性格だから
っていう人がいます。
怒りっぽい性格、さっぱりとした性格、億劫な性格、豪快な性格、どれもよく聞く言葉です。
性格とは
①各個人に特有の、ある程度持続的な、感情・意志の面での傾向や性質。ひとがら。
②広く物事に特有な性質・傾向。
広辞苑 Web版
とあります。
性格を変える!というと、のはなかなか難しいと思いませんか?
ところが、ライフスタイルを変えよう!と言えば、なんとなくできそうな気がするのは私だけではないと思います。
性格は生まれ持ったものといったイメージですが、ライフスタイルは自分で選べるのです。
ライフスタイルに大きく影響を及ぼすものとは
自分で選ぶことのできるライフスタイルですが、今現在のあなたのライフスタイに大きく影響を与えているのは、
- 器官劣等性(身体的なハンディーキャプ)
- きょうだい関係
- 親子関係
- 文化
などが挙げられますが、中でも最も強く影響を与えているのが「きょうだい関係」です。
親が褒めたり叱ったりすることで、子供たちの間に競争意識が芽生え、そのことが後のライフスタイルに影響を及ぼします。
第1子
生まれてしばらくの間は、親の愛情や注目を一身に浴びて育つが、下に弟や妹が生まれると一気に王座から転落。「これからはお兄ちやん(お姉ちゃん)だね」と言われたことをきっかけに、できなかったことを自力でできるように努力をするようになる。一方で問題を起こしたり、保守的になることもある。
中間子
初めから上に兄や姉、程なくして弟や妹が生まれるため、一度も親の愛情や注目や関心を独占したことがないまま育つ。そのため注目を引くために問題を起こすこともあれば、構ってくれない親を横目に早くから自立の道を進むこともある。
末っ子
第1子や中間子と違い、「これからはお兄さん(お姉さん)よ」と言われることもなく、最後まで色々とかまってもらえるため、自分で努力せずに人に頼る依存的な子供になる一方で、人懐っこい子供になることもある。
単独氏(一人っ子)
兄弟がいないため、対人関係の葛藤を経験することがないため、同年代との付き合いが下手になることがある。一方で自律的になり他者と一緒に生きる努力をする子供になることもある。
以上はあくまでも傾向について示しただけで、必ずそうであるという訳ではありません。
ライフスタイルを変えるには
アドラー心理学で言われる「ライフスタイル」を変えるには、どうすればいいか。
アドラーは次のように言っています。
大切なのは何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかだ
まずは自分のライフスタイルを意識化すること、自分の思考のクセを意識するということが大切です。そして、あなたのライフスタイルをいい方向に変える努力をする。
今のライフスタイルは過去のあなたが選んだものなので、変えようと思えばいつでも選び直すことが可能です。
もしそれを変えられないという人は、「変わらないでおこう」という決心をしているだけだとアドラーは考えました。
ライフスタイルを変えないでおこうという決心をやめれば、ライフスタイルは変えられるはずです。
最終的にライフスタイルを決定するのは、「あなた(本人)の決断」なのです。
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