今までアドラー心理学の様々なポイントについて述べてきました。
「人間の全ての悩みは対人関係の悩みである」
その原因となる他者との比較をやめること、意味づけを変えること、正しい劣等感を持つこと、そして承認欲求を捨てること。
別の記事で、承認欲求を捨てるために、課題を分離して、自分の課題の解決に努め、他人の課題にズカズカと土足で入っていかないことをお伝えしました。
勘違いをしてほしくないのですが、課題の分離は決して対人関係の決裂ではないということです。つまり、課題を分離することによって、関係を切るわけではないということです。
あくまでも、自分自身の影響力を行使できる部分に集中しましょうということです。
「7つの習慣」では、これについて「影響力の輪」という表現で表していますね。
アドラーが考える、人間の最終的な幸福とは
そもそも他者がいるからこそ、孤独感を感じたり、摩擦があったり、争いが起きたりして、そこに悩みが生じます。
だからこそアドラーは
「人間の全ての悩みは対人関係の悩みである」
と言ったのです。
一方で、幸せや喜びも他者との関係があってこそ生まれる感情であることも事実です。
アドラーは、次の様に述べています。
人間は、個人としては弱く限界があるので、一人では自分の目標を達成することはできない。(中略)人は、弱さ、欠点、限界のために、いつも他者と結びついているのである。
人生の意味の心理学から
(まんが!100 de 名誉 アドラーの教えから抜粋)
この他者と結びついているという感覚こそが、「人間の最終的な幸福」であるとし、この感覚のことを「共同体感覚」と名付けたのです。
共同体感覚を意識するには
具体的に共同体とは、どの様なものでしょう。
私たちは常に誰かと関係を持ち、一人で生きているわけではありません。
家族や親戚、学校や会社、地域や社会、国家など、人とのつながりを持っています。
それをアドラーは「共同体」と名づけました。
そしてその共同体は、過去の人物や人類全体など、無限に広げることができるとも言いました。
共同体感覚とは
他者を仲間と見なし、仲間たちのために貢献しようとすること
このことこそが、共同体感覚です。
この共同体感覚こそが、人間の最終的な幸福であると、アドラーは述べています。
他者の評価を気にすることなく、共同体に貢献しているという感覚って、「愛」だとは思いまんか?
他者のために見返りを求めず貢献し、そのことで共同体の中に自分の居場所を見つけること。そしてそのつながりを意識して得られる安心感。この様に何か暖かいものに包まれている様な安心感こそ、幸福というものなのかもしれませんね。
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